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情熱

オフィシャル・フェラーリマガジン第59号

今号では、興味深いヘリテージを有するDora GreenのPurosangueに迫るとともに、伝説の始まりとなった1949年のシングル・シーターを振り返ります。さらには、フェラーリがハイパーカーの499PでFIA WECに劇的な復帰を果たす点にも注目します

ピエロ・フェラーリが所有するカスタマイズされたPurosangueは、Dora Greenの珍しいカラーリングが人目を引きますが、そのカラーリングは、半世紀以上前に生み出された1台のフェラーリ・モデル、 すなわち彼の父、エンツォが所有していた400 Superamericaからインスピレーションを得たものです。60年の時を経つつも、2台の跳ね馬モデルは繋がりを有しています。この繋がりを実現させたのは、テーラーメイド・プログラムの新しいクチュール・セレクションです。私たちはこの車を実にユニークな1台に仕立て上げているその他の革新的要素にもいろいろと目を向けます。  


現在、FIA WECに参戦しているハイパーカーの499Pはサーキットにおいて猛烈な速さを見せつけ、そのレーシング・パフォーマンスがシーズン前の宣伝文句を上回るものであることを証明し続けています。これまでの戦績は、3戦で表彰台を3度獲得。戦いはまだ始まったばかりです。

こうした状況の中、今日のレースに見られる究極の革新性から、伝説の始まりとなったレーシング・マシン「125 GPC」までを見ていきます。125 GPCは1948年に登場したフェラーリ初のシングル・シーターであり、その後すぐに125 F1へと進化しました。1950年5月、スクーデリア初のF1 GPとなったモナコ戦において、イタリア人ドライバーのアルベルト・アスカリが125 F1で表彰台を獲得しています。


当然のことながら、フェラーリについて語るときドライバーを無視することはできません。そこで今回は、跳ね馬を特別な存在にしている、まったく違う3つのグループを訪ねました。最初に私たちは、マラネッロのテスト・ドライバーが個々のモデルを開発する際にきわめて重要な役割を果たしている点に注目します。開発段階におけるプロトタイプのテストから最終的な生産モデルの評価までと、活躍の場は多岐にわたります。

これに続き、次第に増加している熱心なフェラーリ・ファンを訪ねます。「自分たちの車は運転するためのものであって、ガレージに置いておくためのものではない」と信じているこのフェラーリ・ファンらは、お気に入りの愛車を運転する機会を絶対に逃がしません。そして最後に私たちは中国へ向かいます。中国ではフェラーリの各チームがミレニアル世代の文化を尊重しつつ、先進技術に対する若者たちの欲求を満たすべく努力を重ねています。 


また、本号ではFerrari Daytona SP3にインスパイアされた限定版の筆記具「Montblanc Ferrari Stilema SP3」を紹介するほか、 今年一番のホットな色合いである「グリーン」について、豊かな文化的影響にも目を向けます。さらには、エンツォ・フェラーリ・ミュージアムで開催されている新たな展示会の様子も紹介。75年にわたり、デザイン、技術、パフォーマンスが明日の跳ね馬の野望や夢とどのように結びついてきたのかを知ることができます。