V8ターボ搭載初の4シーター・モデル
新型 GTC4Lusso Tに搭載されるパワーユニットは、3.9リットルV8ターボエンジンです。最高出力は610cv/ 7,500rpm。最大トルク760Nm を3,000〜5,250 rpmという幅広い回転域で発生させることで、いつでもパワフルな加速を約束します。これだけ高性能であるにも関わらず、燃費は抑えられており、日々の街乗りからロング・ドライブまで用途を問わず、柔軟に対応します。
このパワートレインと後輪駆動の組み合わせによって、車輌重量は劇的に軽減されました。さらに4輪操舵を装備することで、俊敏さと応答性に磨きがかかりました。リアホイール・ステアリング・システムは、最新のSCM-Eサスペンション電子制御システムであるESP9.0 に加えて、第3世代サイドスリップ・コントロール(SSC3)とも統合されています。
備考: 表示してある燃料消費量およびCO2排出量の値は、型式認証を受ける時点で適用されていた欧州規則(EC) 715/2007に基づいて算出されたものです。
燃料消費量およびCO2排出量の値は、WLTPサイクルでテストした場合のものです。
乗用車を市場で販売するためには、規制適合を検証するための一連の試験を受ける必要があります。
燃費、CO2および公害物質排出が評価されるこの試験は、ラボで特定のドライビング・サイクルに基づいて実施されます。こうすることで、試験は再現可能となり、結果が比較可能になります。これは、消費者が異なる自動車のモデルを比較できるのは、標準化された再現可能な手順に基づいて実施されるラボでの試験のみであるため、重要です。
2017年9月1日に新たな国際調和排ガス・燃費試験(WLTP)が施行され、新欧州ドライビング・サイクル(NEDC)から段階的に移行されます。
NEDC(新欧州ドライビング・サイクル):NEDCは、乗用車および小型商用車の燃費およびCO2排出量を測定するために現在まで使用されてきた欧州ドライビング・サイクルです。最初の欧州ドライビング・サイクルは1970年に導入され、市街地走行と呼ばれました。1992年には、郊外モードが採用され、1997年以降燃費およびCO2排出量の測定に使用されるようになりました。ただし、このサイクルの構成は、現在の異なるタイプの道路でのドライビング・スタイルおよび走行距離と一致しなくなっています。NEDCの平均速度はわずか34 km/hで、加速も緩慢で、最高速度はわずか120 km/hです。
WLTP:WLTPは、新たな国際調和排ガス・燃費試験サイクル(WLTC)を使用して、乗用車および小型商用車の燃費、CO2および公害物質排出量を測定します。この新規制は、消費者に自動車の日常使用状況をより正確に反映した、より現実的なデータを提供することを狙いとしています。
この新たなWLTPは、より鋭い加速を伴う、よりダイナミックなドライビング・プロファイルが特徴です。最高速度は120 km/hから131.3 km/hに引き上げられ、平均速度は46.5 km/hとなり、合計サイクル時間は30分となっています(NEDCは20分)。走行距離は、11 kmから23.25 kmに倍増しています。WLTP試験は、最高速度に応じて、 低速(最高速度56.5 km/h)、中速(最高速度76.6 km/h)、高速(最高速度97.4 km/h)、最高速(最高速度131.3 km/h)の4つの区分で構成されます。これらの区分で、市街地、都市周辺、郊外の道路、および高速道路の各モードをシミュレーションします。この方法は、1台の車両の特性を反映しCO2排出量に影響するエアロダイナミクス、転がり抵抗および車両の質量に影響を与えるすべての車両オプションも対象となります。
WLTPは、段階的にNEDCを置き換えていきます。WLTPは、2017年9月1日以降、新型乗用車モデルに適用され、2018年9月1日以降に登録されるすべての新型乗用車に適用され、すべての欧州連合加盟国で義務付けられます。
2020年末までは、車両の書類にはWLTPおよびNEDC両方の燃費およびCO2排出量の数値が記載されます。実際に、2020年末まで、EUで登録される自動車の平均CO2排出量を評価するために、NEDCの値が使用されます。また、国によっては財政上の目的のために、継続してNEDCのデータを使用します。しかし、2021年以降、すべての自動車の燃費 / CO2排出量の数値として使用されるのは、WLTPのデータのみとなります。中古車はこの移行には影響されず、認証を受けたNEDC値を使用します。
乗用車の走行燃費と排出ガス
この新たなWLTP試験は、NEDC試験よりも現在の走行状態に近くなっていますが、ドライバー個人のドライビング・スタイルの影響など、すべてのケースを考慮することは不可能です。
よって、ラボで測定した燃費とCO2排出量の値と、実際に車両を使用した場合の値に差があります。この差は、オンボード・システム(エアコンなど)の使用、交通状況、地域固有の気候条件、およびドライバー個人などの条件によって異なります。
この理由から、車両および異なるモデルを公平に比較できる数値を得られるのは、標準化されたラボでの試験のみです。
お客様にとって変わること
この新たなWLTPは、より現実的なドライビング行動を反映し、個別のモデルおよびバージョンとオプション装備を含む個々の技術的特性を考慮するため、異なる車両モデルの燃費とCO2排出量を比較するためのより現実的な基準を提供します。
ステーションワゴン・クーペをさらに洗練させたGTC4Lusso Tは、流線形を際立たせるテーパーフォルムのコンセプトを見直した結果、ファストバックのようなシルエットに仕上げられました。
ルーフの曲線が下降するリヤのフォルムとスタイリングがスポーティーなスピリットを強調します。一方、4名の乗員すべてに対しては並外れた空間的余裕と快適性がもたらされるだけでなく、広々としたラゲッジコンパートメントも確保されています。フェラーリのシグナチャーであるツインテールライトがリヤを飾ります。
テールライトは、車両の力強いショルダーとワイドなボディを強調するだけでなく、テールパイプとの相乗効果によってリヤにみなぎる視覚的な力感を際立たせます。
ダイナミックに刻まれたクリースラインは、車の側面に沿って旋律を奏でます。光の量を調節して、力強いホイールアーチを強調しながら持ち前のスポーツ性を明らかにするのがこのラインの特徴です。
フロントを支配する大型のシングルグリルは、必要な冷却機能を提供するだけでなく、この車が圧倒的なパワーの持ち主であることを予感させます。
デザインに対する細心の注意と入念に仕上げられたディテールにより、スポーツ性とラグジュアリー性を完璧に融合させた室内空間が誕生しました。GTC4Lusso Tに見られるもうひとつの新たな特徴は、ドライバーと他の乗員がドライビングエクスペリエンスを共有できるようにした、新しいデュアルコックピットアーキテクチャーです。
フェラーリのエンジニアは、GTC4Lusso T にV8ターボエンジンと後輪駆動を採用すると決まった時、V12バージョンと同等のハンドリング特性を維持しつつ、よりスポーティーな感覚を際立たせるようビークルダイナミクスを再調整することを目標としました。車輌総重量の軽量化、そして前後重量配分を46:54とリア寄りに設定することで、4WSとSCM-Eコントロールシステムに専用のセッティングを採用しました。これらの特別なビークルダイナミック・コントロールシステムによって、GTC4Lusso Tは一層軽快かつロールを抑えた感覚をドライバーにもたらします。低速時の加速性能とフィーリングは、可変ブーストマネージメントによって強化されました。
積極的なドライビング時には、4WSシステムの後輪ステアリングによって、フロントホイールと同じ方向に後輪をステアさせることで、コーナーの進入時も脱出時も、シャープなレスポンスでステアリングからの入力に応えます。
磁性流体式SCM-Eダンパー・コントロール・システムは、GTC4Lussoと同型を搭載、これは最先端の制御アルゴリズム開発の結晶です。GTC4Lusso Tでは、新たに設定した車体の重量配分とサスペンション特性に合わせた制御モデルを採用しました。特に垂直周波数に対する感度をベースに、タイヤの接地面を最適化します。
磁性流体式SCM-Eダンパー・コントロール・システムは、GTC4Lussoと同型を搭載、これは最先端の制御アルゴリズム開発の結晶です。GTC4Lusso Tでは、新たに設定した車体の重量配分とサスペンション特性に合わせた制御モデルを採用しました。特に垂直周波数に対する感度をベースに、タイヤの接地面を最適化します。
操作系では、フロントとリアのアクスル間の反応時間は6.5% 短縮され、ステアリングホイールの操作量も2.5% 削減されました。GTC4Lussoと同様、後輪操舵システムによって、車輌の動きの予測と操作が簡単になり、限界域でのコントロール性を向上させます。
サイドスリップコントロール3.0(SSC3)は、GTC4Lusso Tの車体各部と車体制御系と連動することで、あらゆる状況下でもグリップコンディションに合わせて車輌の挙動を制御します。SSC3は、車体各部に設置したセンサーとグリップ予測からの情報を元に、リアルタイムで横滑りを検知し、各システムに取るべき動きを伝達します。車の挙動は、遭遇する様々な状況に合わせて、より精度を高め、正確にコントロールされるようになったことを意味します。
F1-TracとE-Diff電子ディファレンシャルの統合によって、左右後輪のトラクションとトルク伝達の最適化が図られました。また、ミディアムグリップ路面でのコントロール性も向上させています。
マネッティーノには5つ(Ice、Wet、Comfort、Sport、ESC OFF)の設定が用意されており、車体の構造と運動性能に加えて、後輪ステアリングとE-Diffのポテンシャルを際立たせます。2つのシステムの複合効果により、エンジンからのトルクは効率的に左右後輪に分配され、複雑なグリップ路面における左右ホイールの、それぞれ異なるスリップ量をコントロールします。後輪ステアリングは、ヨー角の予測を容易にし、必要なステアリング操作の修正量と頻度を削減させ、ターンイン、コーナリング、コーナー脱出時までの全ての過程で威力を発揮します。
Thanks to a unique integration of Ferrari state-ofthe-art technologies. Ushering in a whole new Ferrari GT concept is aimed squarely at drivers looking for range as well as sporty driving and versatility.
このV8エンジンは、「2016年インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」を受賞した一連のエンジンの最新進化版です。総排気量は3,855ccで、最高出力は610 cv/ 7,500 rpm、比出力158 cv/lというコンパクトかつ高効率なこのエンジンは、同カテゴリー最高の数値を達成しました。
燃料消費量の最適化を図る一方、アクセル操作に瞬時に反応し、パワフルな加速(3,000〜5,250rpmという広い回転域で最大トルク760Nmを維持)を約束します。
フェラーリV8エンジンの特徴となっている俊敏なスロットルレスポンスの実現には、フラットプレーン・クランクシャフト、コンパクトなツインスクロール・タービン、そして3ピース鋳造エグゾースト・マニホールド、ターボ・ハウジングといった革新的なデバイスが貢献しています。
GTC4Lusso TのV8エンジンで最も革新的な技術のひとつが、可変ブーストマネージメントです。これは、選択されているギアごとに最適なトルクを発生させる制御ソフトウェアで、エンジンの回転上昇とともにパワフルになるピックアップと、最適な燃料消費をもたらします。もちろん、これら全ての技術は、ドライビングプレジャーを犠牲にすることはありません。
シフトアップと歩調を合わせて(3速〜7速)エンジン・トルクは上昇し、7速で最大のトルク760Nmに到達します。同時に、このトルク・コントロールによって高めのギアのギア比を高く設定することが可能となった結果、燃料消費向上にも貢献します(現行ラインナップでは、V12エンジン・モデルよりも30%向上)。
マラネッロ製エンジンに共通することですが、GTC4Lusso TのV8ターボエンジンもまた、伝統のフェラーリ製パワーユニット・クオリティを完全に維持しています。切れ味鋭いシャープなレスポンス、溢れるパフォーマンス、速度域を問わないシームレスかつパワフルな加速、痛快なサウンドトラック、コンパクトなサイズ。シャシーに低く搭載されたエンジンがよりシャープな運動性能をもたらします。