時代を通じてフェラーリのGTカーはプライベートドライバーの操縦により高い競争力を発揮しています。こうして築かれたレースリザルトは、フェラーリのモータースポーツの歴史を基礎から支える役割を果たしています。フェラーリ・チャレンジという、ワンメークのシリーズ戦が生まれましたのにはこうした背景がありました。ロードゴーイングGTのオーナーにサーキット回帰を呼びかけるフェラーリならではの招待状でした。
8気筒フェラーリのワンメークレースを開こうというアイデアが初めて実現したのは1993年のことで、出場車両は348ベルリネッタでした。
1995年はF355の出番で、フェラーリは社内で開発したスペシャルキットを用意しました。そして2000年シーズンは、400bhpを発生するV8を搭載した360モデナ・チャレンジが、F355と併走しました。360モデナのパワー(400 bhp /8500 rpm)はスタンダードのロードカーと同じでしたが、随所に改良を施され、サーキット上のパフォーマンスは大幅に向上していました。