ランプレディが新たに設計したビッグエンジンは、スポーツレーシングカーである275 Sに搭載されることで初レースを戦いました。このときの排気量は3322 cc。275 Sはトゥリングによるバルケッタボディが架装された2台が製作され、1950年4月に開催されたミッレミリアにエントリーしました。
しかしレース中、2台ともトランスミッションのトラブルに見舞われます。エンジンパワーに耐えきれなかったのです。このエンジンは本来シングルシーター用に設計されており、F1に搭載されるとたちまち実力を発揮しました。同じ年の6月18日に開催されたベルギーGPではアスカリの操縦により、5位入賞を果たしています。