250スポルトから派生した250 MMにはふたつのバージョンがありました。ひとつはピニンファリーナのベルリネッタで、新時代の到来を告げるデザインでした。もう1台はヴィニャーレによるバルケッタです。エンジン、サスペンションともに大幅な改良が加えられ、特にサスペンションにはフーダイル社製ダンパーが備わりました。ギアボックスはオールシンクロの4速。250スポルトと比べるとはるかに扱いやすいクルマでした。イタリア国内レースで数勝を挙げたほか、フィル・ヒルの操縦によりアメリカでもいくつかのレースに勝利しています。