テストや評価というものには、人にとっても車にとっても、本当の終わりがありません。これが特に当てはまるのが 296 Challenge です。2023年にムジェロで開催のフィナーリ・モンディアーリで発表された、跳ね馬のワンメイクシリーズ向けチャレンジカーの長い系譜を受け継ぐ9代目モデルも、すぐに評価の対象となりました。
モンテブランコ・サーキットで限界まで挑む Ferrari 296 Challenge をご覧ください...
フィナーリ・モンディアーリ・フェラーリ・ショーで躍動的なデビューを飾った翌日、マラネッロ生まれのこの6気筒マシンは、ほんの数時間前に488 Challenge Evoのステアリングを握っていたチャンピオンシップのドライバーたちによってテストされました。彼らの笑顔と熱狂的なコメントは、プロジェクトに関わった人たちのそれまでの多大な努力が実を結んだことを確信させるものでした。
しかし、その後にはさらに厳しいテストが待っていました。チャレンジ選手権レースです。北米と欧州で開催される選手権に向けて、296 Challengeは予想を超える熱狂を呼び起こし、当初の供給台数を上回る需要が生まれました。
上、左から:モンテブランコでの 296 Chellenge テストイベントのハイライト。国際報道機関の選抜メンバーが車の性能を試しました
こうして、このワンメイクシリーズ史上初の6気筒エンジン搭載車は、フェラーリ・チャレンジ・トロフェオ・ピレリの伝統に従って、世界各地のチャレンジングで象徴的なサーキットでレースに挑むことになりました。2つの選手権シリーズでは、各サーキットの難所で、296 Challengeの洗練されたエアロダイナミクスが真価を発揮しました。例えば、ムジェロの「アラビアータ」コーナー、ポルティマオのアンジュレーション、COTAの「スネーク」セクション、ラグナ・セカの「コークスクリュー」などです。実戦でのテストでも、296 Challengeは大成功を収め、488 Challenge Evoよりも数秒速いラップタイムを叩き出し、見事にテストに合格しました。
しかし、296 Challengeが同様に困難で厳しいテストに直面したサーキットがもうひとつありました。それはジャーナリストたちが待つ、モンテブランコです。このサーキットの多機能な施設で、チャンピオンシップの国際シリーズと地域シリーズを記念するカラーリングで飾られた5台のマシンが、極限までテストされました。テスターを務めたのは、2025年にナショナルシリーズが初開催されるオーストラリアからの代表をはじめ、世界中から特別に選ばれたジャーナリストたちでした。
上:2日間のテストの後、296 Challenge はパフォーマンス、ハンドリング、全体的なアプローチのしやすさで称賛されました
公平で綿密、そして厳しい批評家の前で、296 Challengeは、ジェントルマンドライバーに合わせた親しみやすさと、GT3レースへのステップアップを目指すドライバーにアピールする印象的なパフォーマンスのバランスで最高の評価を得ました。素直なハンドリング、6気筒エンジンが生み出す圧倒的なパワー(700PS)と扱いやすくプログレッシブなパワーデリバリー、俊敏性、1993年以来このワンメイクレースに専用コンパウンドを供給してきたピレリ製のタイヤによって強化された操縦性……。このスペインのサーキットで2日間にわたって行われたテストの後には、ここではご紹介しきれないほど多数の称賛の声が寄せられました。