モータースポーツ界のアイアンマン
文 : Richard Aucock
モータースポーツの夢を生きる年配のレーシング・ドライバー達
モータースポーツは若者だけのためにあると考えるのは簡単です。多くのレーサーは、小学校に上がる前にカートで新記録を打ち立て、運転免許証を取得して公道を走ることができる年齢になる前に、シングルシートのレースを始めます。フェラーリのエースであるセバスチャン・ベッテルは、F1ワールド・チャンピオンシップのタイトルを4つ以上獲得していますが、まだ31歳の若さです。
しかし、もう少し年上のレーシング・ドライバーのためのチャレンジも用意されています。それらは、SROが開催するブランパンGTスポーツクラブ・シリーズの最も注目される2つのカテゴリーです。最初のレースは、60歳以上のレーシング・ドライバーを対象としたアイアンカップと呼ばれるものです。また、2018年からは、新たにもう少し若いレーサー向けのカテゴリー、つまり50~59歳のレーサー向けのチタンカップが開催されています。
これらのカテゴリーは、2015年のブランパンGTスポーツクラブの設立以来開催されているメインシリーズに併催されます。これは、スポーツカー・レースの経験が浅いジェントルマン・ドライバー向けのもので、クラブ競技からステップアップして、欧州および海外で、よりプロフェッショナルなレベルのレースに参戦できるよう企画されました。
レーサー達には、長時間走行する機会が与えられます。ウイークエンドを通して、多くのプラクティスおよび予選のセッションが行われ、それ以外に、25分間の予選と40分間のメインレースが開催されます。今年は、初めてモンツァ・サーキットで開催された(ブランパンGTシリーズ耐久カップのサポートレース)ほか、フランス、イタリア、ベルギー、ハンガリーおよびスペインでも開催されます。
さらに良いのは、レーサー達は、レース・ウイークエンド以外でも自由に技術を磨けることです。よりハイレベルのブランパンGTシリーズのイベントでは、レース・ウイークエンド以外での走行は制限されています。しかし、GTスポーツクラブの場合、これに制限はなく、ドライバー達は好きなだけサーキットを走行することができます。
ブランパンGTスポーツクラブに参戦できるフェラーリは、458 Italia GT3および488 GT3に加え、カップクラスの458 Italia GTEおよび458 Challenge EVOです。これらのモデルは、他のメーカーの車両と競い、このシリーズは世界屈指の多様性に富んだGTチャンピオンシップとなっています。
今年は、チタンカップには7名、アイアンカップには5名のレーサーが参戦し、それぞれ3名がフェラーリをドライブしています。以下に、2018年のフェラーリ・ドライバーをまとめます。これを見れば、モータースポーツは若者達のためだけのものでないことがわかるでしょう。
2018年ブランパンGTスポーツクラブ/アイアンカップのフェラーリ・ドライバー
- クラウス-ディーター・フレアス:アルテガ・レンスポーツ Ferrari 458 Italia GT3
- ルイ-フィリップ・ゼーネン:AFコルセ Ferrari 488 GT3
- スティーブン・アール:ケッセル・レーシング Ferrari 488 GT3
チタンカップ
- クライディオ・スキアヴォーニ:ケッセル・レーシング Ferrari 488 GT3
- クリスティアン・フック:リナルディ・レーシング Ferrari 488 GT3
- マリオ・コルドーニ: AFコルセ Ferrari 488 GT3
シリーズ全体
- ルイジ・ルッチーニ:BMSスクーデリア・イタリア SRL Ferrari 458 Italia GT3
- デボラ・マイヤー:ケッセル・レーシング Ferrari 488 GT3
- ムラット・ズルタノフ:ケッセル・レーシング Ferrari 488 GT3
- クリストフ・ウルリッヒ:AFコルセ Ferrari 488 GT3
- フレデリック・ファンジョ:AFコルセ Ferrari 458 Italia GT3
- アンジェリーク・デタヴェアニエー:Ferrari 488 GT3
- パトリック・ヴァン・グラーベケ: AFコルセ Ferrari 488 GT3
2018年ブランパン GT スポーツクラブレース開催日
- モンツァ(イタリア):4 月 21~22 日
- ポール・リカール・サーキット(フランス):6 月 1~2 日
- ミサノ(イタリア):6 月 23~24 日
- スパ・フランコルシャン(ベルギー):7 月 21~22 日
- ブダペスト(ハンガリー):9 月 1~2 日
- バルセロナ(スペイン):9 月 29~30 日