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成功を原動力に

15 gennaio 2021

ベン・プルマン

世界中のフェラーリ・ディーラーで働くスタッフの中から特に優れた人物に授与される栄誉あるテスタロッサ賞。2020年度の受賞者は…


フェラーリの本拠地はイタリアですが、今やそのファミリーは世界各国に進出しています。熱狂的かつフェラーリに詳しいお客様やファンが世界中にいらっしゃるように、有能かつ献身的なフェラーリ・ディーラーのネットワークも世界に広がっています。

そのディーラーの中で働くのは人、私たちの大切な人材です。フェラーリ・ファンの夢を叶え、ブランドの世界へと誘う人々、情熱的なお客様と長期的な関係を築く人々、あらゆるサービス業務の依頼に一つひとつ丁寧に応える人々です。

このような人々の仕事が評価もされずに見過ごされることはありません。フェラーリ・オーナーから感謝が寄せられたり、ディーラーの仲間同士で認め合ったりすることもあるでしょう。しかし、フェラーリはそれらの努力に対してさらなる評価を与えたいと考えていることから、技術者、販売担当、アフターセールス担当、マーケティング・エグゼクティブを対象に、ファミリーの中から最高の一人を選出してテスタロッサ賞を授与しているのです。

全世界を対象して2017年に創設されたこの賞は、その名前に特別な意味があります。「テスタ(Testa)」は理性と知識を意味する言葉であり、一方で「ロッサ(Rossa)」はフェラーリの情熱と魂を思い起こさせる言葉です。当然のことながら、レーシング・マシンとしての概念を真に体現したモデル1950 Ferrari 250 Testa Rossaへの称賛を表す名称でもあります。

これまでの3年間、テスタロッサ賞4部門のファイナリストは、選考終盤の1週間、マラネッロに招待されていました。しかし、2020年はこれまでとは様相が異なり、フェラーリ・アカデミーとしても、候補者を選定するための新しい方法を模索せざるを得ませんでした。誰もが例年以上に奮闘した一年であったことから、フェラーリの本拠地で最優秀者を表彰することが叶わないのは明らかだと認識せざるを得なかったのです。

「ファイナリストに選ばれるだけでも大変なことです」と、フェラーリ・アカデミーを率いるオレステ・カッピエロは語ります。「それでも、私たちはさらにその中のトップを選びたいと考えています。フェラーリは真のラグジュアリー・ブランドであるがゆえに、最高の人材を確保、維持し、そしてそれに報いるべきです。私たちは日々そうあるべく努めています。このテスタロッサ賞は、フェラーリ・ディーラーを特別な存在にしてくれる才能に対して私たちが評価を示すための手段なのです。」 

コンペティションの最初のラウンドは、エントリー条件を満たした4部門(トップ・テクニシャン、トップ・サービス・マネージャー、トップ・マーケティング・エグゼクティブ、トップ・セールス・エグゼクティブ)の全候補者を対象に、いつものようにリモートで進められました。しかし候補者が3,000名を超えたため、部門ごとに12名の地域チャンピオンを選出するという絞り込みが行われました。はたしてその後の選考はどのように進められたのでしょうか?

「デジタル評価を導入しました」と、カッピエロは説明します。「ディスカッションやプレゼンテーションをオンラインで実施しただけでなく、技術者部門の12名のファイナリストに対しては、私たちが持っている技術を駆使することで、ここマラネッロにある車両の評価と診断をリモートで行ってもらうこともできました。ファイナリストには北米や中国など、遠く離れた所の方々もいらっしゃるので、日常業務に支障が出ないように配慮しました。最終的に18か国からファイナリストが選出されると、各部門の審査員は昼夜を問わず評価にあたることになりましたが、大変だったのは私たちも同じです。」

今回はファイナリストをマラネッロに招待することができなかったため、競技種目だけでなく、フィオラノ・サーキットでのスペシャル・イベントなどによっても彼らの仕事ぶりを評価することができませんでしたが、優勝者の方々の感想は、彼らがいかにその勝利にふさわしい人物であるかを示すものとなっています。選ばれたことに対してはどなたも例外なく謙虚です。今回の高い評価はフェラーリ、フェラーリ・ディーラー、そして何よりお客様への献身をいっそう深めるものとなるでしょう。

優勝された4名の方々に祝意を表するとともに、ディーラーで働くお一人おひとりにも改めて感謝の意を表したいと思います。