フェラーリ探訪
Umberto Zapelloni
モデナの展示は、情熱と美が長年にわたってフェラーリの世界を織りなしてきた様子を物語っています。
「フェラーリグランドツアー、情熱と美に満ちた旅」は、モデナのエンツォ・フェラーリ博物館(MEF)で開催されている魅力的な展示です。
最初の展示は、「甘い生活」の時代への賛辞を込め、イタリアの首都の名が冠されたフェラーリの最新作、フェラーリRomaです。
1949年には、パリの国際モーターショーで166 Inter Touringがデビューを果たし、その後、ジャンニ・ナアニェッリの個人のコレクションに加わりました。来場者は、現フェラーリ会長のジョン・エルカーンが少年時代に祖父のガレージで遊んでいた車両を見ることができます。
また、映画監督のロベルト・ロッセリーニが妻で女優のイングリッド・バーグマンのために注文し、ピニン・ファリーナが製作したワンオフの1954年の375 MMもフィーチャーされています。この車両は事故に遭い、セルジオ・スカリエッティが1年をかけて修理しました。この伝説のコーチビルダーは、ある特徴を加え、それが後年Testa Rossaに採用されました。 数十年後、その375 MMが2014年のペブルビーチの「コンクール・デレガンス」で「ベスト・オブ・ショウ」を受賞しました。
フェラーリの欧州における主要市場であった英国の歴史あるサーキットで、1951年にスクーデリアが初めてF1で勝利を収めたのを皮切りに、フェラーリは数多くの記憶に残る勝利を挙げました。1964年の写真には、ウェストミンスター宮殿の前の330 GT 2+2が写っています。 この遊び人ではなく紳士のために作られたモデルは、伝説のビートルズのメンバー、ジョン・レノンのハートをつかみ、彼は当然、普通のファミリーカーを買うかのように妻を説得しました。
販売においては、フェラーリにとって米国が常に最も重要な市場であり続けています。アメリカでは、ジェーン・マンスフィールドやポール・ニューマンなどのハリウッドスター達や、マイルス・デイヴィスなどのミュージシャンとのつながりを見ることができます。
展示されているのは、ブランドのアメリカへの情熱を驚くほど体現している1959年の250 GT SWBです。そのスポーツの血統は、コッパ・インテレエウロパ、ル・マン24時間、モンレリー1,000 km、およびタルガフローリオでの勝利へとつながりました。
このグランドツアーの最東端は上海戦で、フェラーリは2004年に初開催された中国グランプリで優勝しました。2006年の599 GTB Fioranoが展示されています。この年、フェラーリは999番目の中国のクライアントを祝福し、アーティストの盧昊によって599に宋王朝時代の陶磁器パターンが描かれました。来場者は、2005年に中国で15,000 kmにおよぶツアーを行った612 Scagliettiを間近に見ることができます。
アブダビのフェラーリワールドがフィーチャーされています。そこでは、2011年のジュネーブモーターショーでの華やかなデビューに続き、フェラーリ初の4WDモデルであるFFが披露されました。
この展示は、フェラーリのアラブ首長国連邦進出25周年を記念して開催された昨年のカヴァルケードも紹介しています。このイベントでは、F12 Tour de FranceやCaliforniaなど、100台以上の車両が参加したパレードも行われました。
このように、このMEFの展示では、フェラーリとその歴史を総合的に探訪することができます。