マラネッロの見事なワンオフモデル、Ferrari SP38

22 5月 2018

驚異的なSP38をオーダーしたのは、モータースポーツに情熱を注ぐフェラーリオーナーでした。フェラーリ・ワンオフ・プログラムの最新作となるFerrari SP38は、フィオラノで行われた譲渡式でお披露目された後、すぐにその有名なテストコースにおいて激しいラップを重ねました。

この車は、フェラーリを熱烈に愛するお客様からのオーダーによるものです。レースに対するお客様の深い情熱を反映すべく、ロードとサーキットの双方を走れるように仕上げられています。SP38は、Ferrari 488 GTBのシャシーと駆動系をベースにした唯一無二の1台です。

 

全く新しいボディを持つSP38は、フェラーリが手掛けた他のオンロードモデル同様、革新的であるとともに美しさを兼ね備えています。このモデルは伝説的なF40からインスピレーションを受け、488 GTBを徹底的に進化させたものです。そのデザインは、印象的なくさび形のシルエットをベースにしつつ、後輪部分にボリュームを持たせています。

ノーズは鋭いテーパー形状をしていて、がっしりしたホイールアーチへと広がります。きわめてスリムなヘッドランプは完全な新設計であり、フェラーリのデザイナーは、かつての名作、Ferrari 308GTBを参考にしてデイタイムランニングランプ(DRL)をバンパーのリップ部へと移しました。

 

488 GTBのサイドエアインテークは、美しく造形されたアルミニウムで覆われています。このアルミニウムパーツは、低い位置にあるドアのベルトラインから上に向かい、リヤホイールアーチとサイドリヤウィンドウへと折り重なるデザインです。これはとてつもなく素晴らしい金属加工です。

エンジンカバーは、カーボンファイバーを組み合わせた跳ね上げ式となっていて、3枚の横長の薄い板が熱を放散させます。また、F40の象徴的なウィングを匂わせるような、大型のリヤスポイラーが取り付けられています。このスポイラーの後端は、ホイールアーチとロアディフューザーにすっきりと溶け込んでいます。テール周りの「フレーム」は、F40の獰猛さにあやかった形状となっています。

 

SP38の美しいキャビンは、テーラーメイド・プログラムを利用して仕上げられました。この車は、5月26日(土曜日)に開催されるコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステで初めて公の場に姿を見せることから、フェラーリのファンはそこで一目見ることができるでしょう。

モータースポーツを愛する、熱狂的なフェラーリオーナーのために創り上げられたこの車は、間違いなく、フェラーリの手掛けたひときわ特別なワンオフモデルだと言えます。フィオラノでSP38を披露し、その直後に高速デモ走行を行ったのは、フェラーリの新たなる個性的な作品を世界に発信する上で完璧な手法でした。