70周年記念のテーラーメイドモデル、最後の1台を納車

13 4月 2018

文:クリス・リース

フェラーリの70周年記念モデルが有終の美を飾る


フェラーリの「70周年」を記念するテーラーメイドモデルは、最後の1台がオーナーの元に届けられました。ブルーのカラーリングが印象的なFerrari GTC4Lussoは、フェラーリの70周年記念を見事に盛り上げた、ユニークなテーラーメイド・プログラムの集大成とも言えます。

 

「70周年」を記念して実施されたこのプログラムは、フェラーリの最も代表的なヒストッリクモデルに採用された70種類のデザインを現行モデルに適用するというものです。どのデザインも、歴史にその名を刻んだモデルに採用されたものです。

 

フェラーリのデザイン部門とテーラーメイド部門が構想段階から手がけたこれらのデザインは、1947年から現在に至るまでに生産されたオンロードモデルやレーシングマシンの中でも、最大の影響力を放った車両を想起させます。

実際の作業工程においては、70種類のカラーリングを適用するだけではなく、関連する各種の歴史的「ミューズ」をヒントにしたうえで内装も個性的に仕立て上げています。フェラーリ独自のアーカイブを基に作業を進めたことにより、車の仕様、色、ディテールについては、オリジナル通り正確に再現することができました。「70周年」モデルは、どれもフェラーリのテーラーメイド部門が1台ずつ手作業で作り上げたものです。

 

70種類のデザインが適用された車両は、 California T、488 GTB、488 Spider、GTC4Lusso、F12berlinettaといった、現行モデル5車種です。つまり、まったくユニークな独自性の高いモデルが、合計350台も生み出されたことになります。どれも非常に魅力的な芸術作品であり、真のコレクターズアイテムだと言えます。

 

こちらの車は、「70周年」を記念して仕立て上げられた最後の1台です。このオーダーメイド・プロジェクト仕様の車は、Ferrari GTC4Lussoをベースにしたものであり、デザインは、スカリエッティによる1956 250 GT Berlinetta Competizioneからインスピレーションを受けています。

このバージョンの250 GTは、1956年に自動車耐久レースのツール・ド・フランスで優勝したことから、通称「ツール・ド・フランス」(または「TdF」)と呼ばれています。このイベントで優勝を果たしたメーカーには、レースの主催者からイベント名をモデル名の一部に使用しても良いという許可が下りていました。フェラーリは、「ツール・ド・フランス」という名称を公式に採用していないものの、このシリーズの呼称として広く知られるようになりました。

 

この大胆で明るいブルーのカラーリングは、スペインのレーシング・ドライバー、アルフォンソ・デ・ポルタゴ侯爵が所有していた車からインスピレーションを得ています。彼はその車で1956年のツール・ド・フランスに参戦し、勝利を獲得しました。250 GT Berlinetta Scagliettiは、フェラーリが製造した数少ないレース用「ベルリネッタ」(クーペ)の1台であり、伝説的なベルリネッタ・シリーズはこのモデルを発端としています。1956年から1959年の間、これらの車はサーキット走行に適した完璧な性能を証明する中、GTカテゴリーのレースにおいては勝利を収めています。

 

オーダーメイドの車両にふさわしく、このGTC4Lussoは、「70周年」を記念してデザインされた他の車両と同様、コックピットには「One of One」(シリアルナンバー1/1)と記されたプレートが備わっています。