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レディー・フォー・アクション

21 gennaio 2021

ジョー・リチャードソン

フェラーリのレーシング・マシンとデイトナ・インターナショナル・スピードウェイ。ドライビング・スクールの「コルソ・ピロタ」を開催するにあたり、これ以上素晴らしい組み合わせは他にありません。そうした状況の中、俳優のダニエル・ウー(呉彦祖)は、心地良さを覚えながら488 Challenge Evoのステアリングを握ります。


米国フロリダ州にあるデイトナ・インターナショナル・スピードウェイのグランドスタンドは、人類が建造した円形スタジアムに備わる世界一壮大なスタンドであり、 有名なオーバル・コースと過酷なインフィールド・ドラックを見下ろせるように10万人分以上の座席を設けています。全長が約1マイルにおよぶ巨大な建造物であることから、カーブを描く地球のラインを補えるかのようです。

この刺激的なサーキットは、ファンとして訪れる場合も非常に特別な場所ですが、レースで勝利を争う一流のプロ・レーシング・ドライバーにとってはそれ以上に特別な場所です。しかし、この特別なサーキットを走るにあたっては、世界的なロレックス・デイトナ24時間レースでフェラーリのワークス・ドライバーを務め、跳ね馬のマシンを駆ることが必要になるわけではありません。

1993年に設立されたフェラーリのドライビング・スクールであるコルソ・ピロタが、経験や目標に応じたさまざまなレベルの指導を行っているからです。受講者は、初級のコルソ・ピロタ・スポーツからスタートし、コルソ・ピロタ・アヴァンツアート、コルソ・ピロタ・エヴォルツィオーネ、さらにはレーシング・マシンのFerrari 488 Challenge Evoが待ち受ける上級コース、コルソ・ピロタ・チャレンジへとレベルを上げていくことができます。

コルソ・ピロタ・チャレンジは世界中の主要なサーキットで実施されていて、理論や技術に関するセッションでは488 Challenge Evoのセットアップや制御について学び、サーキットではローリング・スタートのシミュレーションや追い越しの実習を行います。また、最先端の技術を駆使した動画やデータを基に、高い技能を持ったインストラクターによるラップ・タイムの詳細な分析も行われます。激しい走りを数多くこなすコースであるという点について、俳優のダニエル・ウーは心地良さを感じた様子です。

「デイトナを走るというのは信じられないような体験です。モータースポーツを象徴するサーキットですから。特にバンクの付いたストレートは対処するのが難しいので、最初はとても恐ろしく感じます。「バンクが急過ぎるのでコース・アウトして壁に激突するのではないかという恐怖はありますが、一旦スピードに乗れば物理的にもそんなことは当然起こりません」と、ウーは語ります。

偉大なアクション俳優ジャッキー・チェンの秘蔵っ子としてデビューしたこともあり、ウーは恐怖を感じるようなことがあってもそれを避けるようなことはありませんでした。武術を取り入れたテレビ・ドラマ「バッドランド ~最強の戦士~(Into The Badlands)」(2015~2019年)で一躍脚光を浴びると、映画「トゥーム・レイダー」ではアリシア・ヴィキャンデルの相手役を務めています。そして2021年には、リサ・ジョイ(「ウエストワールド」)脚本・監督によるヒュー・ジャックマンとの共演作「レミニセンス」が封切られる予定です。この勢いに合わせるかのように、ウーは488 Challenge Evoを駆ってデイトナのバンクを最高速度178mphの猛スピードで駆け抜け、その本領を存分に発揮します。

彼は488 Challenge Evoの印象について、「外科医が使用する器具のようなもので、精度と信頼性がきわめて高いレベルにあります。素晴らしい制御性能とダウンフォースが高速走行中も失われないため、恐怖感はまったく感じません。まさに自分と車が混然一体となっているかのような感覚に見舞われます。ありきたりな表現かもしれませんが、実際にそうなのです」と述べています。

ウーは、フェラーリ・モデルについてもサーキット走行についてもまったくの素人ではありませんでしたが、Challengeモデルでしか味わえない高揚感というのはこれまでに体験したことがありませんでした。「コルソ・ピロタには、自分がこれまでに受けてきたあらゆるトレーニングを補強し、F8 Tributoからレーシング・カーの488 Challenge Evoにゆっくりと無理なく移行させてくれるカリキュラムが用意されています」と、ウーは述べます。「一度でもこの魅惑的なChallenge Evoを経験すると、再びロード・カーに乗ることなど想像するのも難しくなります。比較になりません」   

偶然にも、ウーと彼のビジネス・パートナーは、まさにこのサーキットの名を冠したモデル、1972 365 GTB/4 ‘Daytona’ Spyderを最近手に入れました。「デイトナは実に美しい車です。12気筒エンジンからゲート式シフトレバーまで、フェラーリをフェラーリたらしめるロマンティックな要素がすべて備わっていますし、コンバーチブルであることもこの上ない魅力となっています。年式は古くても走りは最新モデルのようです。」 

彼はそう言い残し、ヘルメットを装着してインストラクターと短い会話を交わすと、488 Challenge Evoに乗り込んでデイトナの印象的なサーキットへ再び向かいました。