ハンプトン・コートで人気を博した、フェラーリを象徴するモデルたち

21 9月 2020

ロンドンのリッチモンド・アポン・テムズに位置するハンプトン・コート宮殿の壮大な庭園で開催されたコンクール・オブ・エレガンス2020において、いくつかのフェラーリ・モデルが注目の的となりました。1515年に建てられた王宮は、長きにわたってヘンリー8世のお気に入りの邸宅でしたが、この夏の印象的な数日間は、フェラーリの人気モデルたちの棲み家となりました。
 
人目を惹きつけたのは、Ferrari 250 GTOでした。この車両は、わずか36台しか生産されていない250 GTOモデルのうちの1台である上に、フェラーリのオリジナル・プロトタイプなのです。ル・マン24時間レースとデイトナ24時間レースに参戦し、セブリング12時間レースで2位を獲得したこの1台は、つい先日、工場出荷時のオリジナルの状態に復元されました。その裏付けとして、フェラーリ・クラシケの認定を受けています。

その他にも、フェラーリ・クラシケによるレストアと認定を受けた見事なフェラーリ・モデルたちが、観客の注目を集めました。
 
250 GTOの後継モデルとなる優美なFerrari 250 LMもまた、ハンプトン・コートの敷地を美しく飾っていました。もともとは1965年にエキュリー・フランコルシャン・レーシングチームに販売され、実際にル・マン24時間レースで2位を勝ち取ったこの車は、現在では大事に扱われ、きちんと整備されています。
 
同じ1965年に造られ、のちに365 P2の仕様へとアップグレードされたFerrari 275 P2もまた、ハンプトン・コートのゲストたちを驚かせました。展示された車両は、1965年のタルガ・フローリオとニュルブルクリンク1000 kmで優勝を果たしたあと、本来のロッソ・コルサからFerrari 250 LMと同じ、ベルジャン・エキュリー・フランコルシャン・イエローへと再塗装を施されました。
 
Ferrari 275 GTBは、豪華なGTカーとしてデビューしたモデルです。フェラーリは、特別な軽量アルミニウム製ボディパネル、外部燃料フィラー、そして巨大な140リットルの燃料タンクを備えたFerrari 275 GTBのコンペティツィオーネ・クリエンティ仕様を10台生産しました。そのわずか10台生産されたうちの1台であるシャシー番号07407が、コンクール・オブ・エレガンスに登場し、印象的なラインアップに優美さを添えました。

フェラーリを象徴するモデルとして最後に姿を現したのは、洗練された美しい250 GT Ellenaでした。この車両は、コーチビルダーであるカロッツェリア・エレナが手掛けた50台のうちの1台です。当サイトに掲載しているピーター・ホロウェイの紹介記事を読まれた方なら、この車両に見覚えがあることでしょう。彼は、時代を代表するV12フェラーリを7台も所有しています。

コンクール・オブ・エレガンス2020で最も注目を集めたのは、間違いなくフェラーリ・モデルたちでした。パンデミックによって混乱した1年において、人々が再び集まってマラネッロが生み出したいくつかの史上最高の作品を称えるには、コンクール・オブ・エレガンスが最もふさわしい場であると観客たちの誰もが感じていました。