ブラック・ファイバーに精通したプロフェッショナルたち

14 aprile 2020

Chris Rees

軽量かつ強固であるうえに、航空宇宙産業とF1をルーツとするカーボン・ファイバーは、フェラーリ車の鍵を握っています – そして、マラネッロはカーボン・ファイバーのパイオニアです。


最先端テクノロジーの分野において、フェラーリは常に先駆者であり続けています。ボディ/シャシーのテクノロジーに関して言えば、軽量化と強度向上の両立が究極の目標であることに疑問を抱く余地はありません。そして、この目標を達成させるのがカーボン・ファイバーです。フェラーリが主要な車両にカーボン・ファイバーを採用している理由はこの点にあります。

カーボン・ファイバーは、基本的に、カーボン原子をミクロレベルで結合させた、細くて長い撚り糸であって、とても丈夫な「織物」を作り上げることが可能です。しかし、高い強度は、カーボン・ファイバーが有している数多いメリットの1つに過ぎません。カーボン・ファイバーは、金属に比べて大幅に軽量であるうえ、熱、疲労、化学反応に対する耐性がきわめて高いといった特徴も備えています。

1980年代の初頭にフル・カーボンのモノコック構造が登場して以来、カーボン・ファイバーがフェラーリのF1プログラムに欠かせないものとなっているのは、それほど不思議なことではありません。

アルミ二ウム製の接着スペースフレーム、複合素材によるタブ、さらにはカーボン/ケブラー製のパネルなど、さまざまな素材技術を模索してきたフェラーリは、カーボン・ファイバーの利点をロード・カーに活かした最初の自動車メーカーです。カーボン・ファイバーを採用したフェラーリ初のロード・ゴーイング・カーは1984年のGTOであり、複合素材によるバルクヘッドとボンネットが装備されていました。

その後、1987年になると、フェラーリは「公道仕様のレーシング・マシン」であるF40モデルを誕生させます。このF40は、ボディのほとんどの部分に複合素材、つまり、ケブラーやカーボン・ファイバーを用いた世界初の量産車であり、 キャビンにもカーボン構造を取り入れている点が大きな特徴でした。このモデルのきわめて強い個性は、左右のドア、深いバケット・シート、そして美しいカーボン・ファイバーを部分的に露出させたインテリアパネルに表れています。

F40の後継車として1995年に登場したF50も、カーボン・ファイバー製のフル・モノコック・シャシーを持つ、世界に先駆けた1台でした。

また、フェラーリは、2002年にも、カーボン・ブレーキを装備した世界初の量産型公道仕様車としてEnzoを誕生させています。カーボンとアルミ二ウムによるハニカム・シャシーも採用していたこのEnzoには、カーボン・ファイバー強化セラミック製のコンポジット・ディスク・ブレーキが装備されていました。レースでのノウハウが詰まったカーボン・ブレーキは、強大な制動力を発揮するだけでなく、過酷な使用条件下でも比類のない耐フェード性が維持されるため、サーキット走行に最適な装備です。このカーボン・ブレーキは、2003年のChallenge Stradaleに採用されると、2008年にはすべてのモデルに標準装備されました。

2013年、カーボン・テクノロジーはLaFerrariで新たな頂点に達します。このモデルには、構造部分に対し、6種類以上ものカーボン・ファイバー仕上げが手作業で施されていました。これは、フェラーリのF1マシンの場合と同じです。事実、このカーボン素材は、スクーデリアのF1マシンとまったく同じエリアで生産されていました。

その後もフェラーリの革新は止まることがありません。2018年、フェラーリは488 Pistaに対し、フル・カーボンのホイールをオプションとして初めて用意しました。このホイールは、標準的な鍛造ホイールに比べて20%軽量であるうえ、ブレーキの熱を発散できるよう、航空宇宙業界で開発された特殊コーティングが施してあります。

カーボンの革新はSF90 Stradaleでも続いていて、キャビンとエンジン・ルームの仕切りには、フル・カーボン・ファイバー製のバルクヘッドが用いられています。また、Monza SP1およびSP2は、究極の性能を発揮するモデルに対してフル・カーボン製のボディを採用するという伝統をいちだんと根強いものにしています。

カーボン・ファイバーは、軽量化を実現できるだけでなく見た目も美しいため、それを用いたオプションは、さまざまな理由からお客様にとっての人気アイテムです。お客様は、フル・カーボン製のエンジン・ルームのほか、カーボン製のエクステリア・パーツやインテリア・パーツなどを選択することができます。 

それだけでなく、フェラーリのテーラーメイド・プログラムを使えば、さらに多くのパーツをカーボン仕上げにすることが可能です。たとえば、スクーデリア・コレクションでは、カーボン・ファイバーを目立たせるよう、カラー、織り方、さらには、光沢仕上げやつや消し仕上げまでを選ぶことができます。

 

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