パフォーマンスの決め手はトラクション
F1-TracF1が搭載する電子制御システムのなかでもトラクションコントロールほど研究と開発が進んでいるシステムはありません。トラクションコントロールとは電子制御の力で車速と駆動輪の回転スピードを比較し、タイアと路面とのあいだのスリップを感知する装置。スリップ量が許容範囲を超えるとトラクションコントロールが介入して、過大なホイールスピンを未然に防ぐのです。
フェラーリは599で初めてF1のトラクションコントロールをロードカーに導入しています。2006年、F1-Tracと呼ばれるこのシステムを599に導入するにあたって、レーシングディビジョンから生産車にテクノロジーがスムーズに移し替えられるよう専門のチームが組まれました。F1-Tracは単なるオン/オフシステムではなく、先を読むソフトウェアを内蔵し、駆動輪の空転をきめ細かく精密にコントロールするものです。濡れた路面や凍結路でのトルクコントロールも巧妙です。
マネッティーノをRACEモードに設定するとF1-Tracの働きでコーナー脱出時の加速力は20%向上し、従来のトラクションコントロールと比べてフィオラノのラップタイムは1.5秒短縮されます。マネッティーノの究極のセッティングとして、F1-Tracをオフにすることも可能で、その場合すべてのコントロールはドライバーに託されることになります。