F1が生んだブレーキ
フェラーリというメーカーは、F1に対してひとかたならぬ思いを抱いています。その姿勢からロードカーにカーボン-セラミック・ブレーキを標準装備した最初のメーカーとなりました。その第1弾は、2002年に登場したエンツォです。
CCM(カーボンセラミックマテリアル)ブレーキは集中的に使っても秀逸な制動能力を一貫して発揮するのが特徴です。しかも例外的に優れた耐フェード性を誇ります。ブレーキがフェードすると、ペダルを通してドライバーに伝わるフィーリングがスポイルされます。すると踏力の加減で挙動をコントロールできなくなり、ペダルからの反力もドライバーに伝わらなくなります。
CCMディスクの寿命は公道で長いのはもちろん、サーキット走行での耐摩耗性にも優れています。ブレーキシステムをCCMディスクに変えると車両全体でおよそ15kgも軽くなり、総合的な動力性能が向上するのです。しかもバネ下荷重が軽くなることから、ビークルダイナミクスと乗り心地も改善されることとなります。
430スクーデリアのCCMブレーキは専用設計で、ディスク径もこのクルマのずば抜けた高性能に合わせてあります。フロントのディスク径はF430より18mm大きく、有効回転半径が大きくなった分、制動力も高まりました。専用の6ポットキャリパーとの組み合わせにより、フロントブレーキは430スクーデリアの高性能が発する高熱を効率よく発散させます。
フェラーリがF1テクノロジーを生産車に適用することで、オーナーは無類の信頼性と耐久性という恩恵を受けることができるのです。